ヘッドライトのHID化
(LOビーム)

 ハロゲン時代は終焉を遂げ、いよいよキセノン時代の到来であろう。従来のものに比べ圧倒的に明るく消費電力も少なく寿命も長いとなれば換えない訳には行くまい。通常でもショップに頼んで後付けしようとすると、例の外車工賃2倍返しも加わり20万円位掛かる様である。そこでヤフオクからキットを探し出し・・・


 中国製のちょっと怪しいものを12,001円で落札(この最後の「1円」がオークションの極意なのだ)。明るさは控えめに6,000Kとした。30,000Kとか、とんでもないものも出品されているが、値段が張る点もさることながら現行バラストとのマッチングが悪く、トラブルが多い様なので無難なところとした。
ちなみに国産車の純正品で多いのは4,000Kちょっとの様である。


 ずっしりと重いパッケージがやってきた。箱のフェラーリF50の絵が無理矢理高級感を引き立てる。’03PTのロービーム用はH7。年式・並行輸入車orディーラー車によって型式が違うので注意しよう。

 中にはバーナー・バラスト・リレーと必要なものが全て入っているお得なキットである。









 心臓部のバーナー。保護ケース入りだ。この画像は後述するPT専用のソケットアダプターを取り付け改造後のもの。寿命を縮める為、ガラスの部分に触って脂を付けてはいけない。
 バラスト。HID点火に必要な高電圧を作り出し、また電流を一定に安定させる役割のものである。
 これはバラストを車体に固定するステーかな。
 純正バルブのソケットからバラストへ電源供給する為のケーブル。最初はバルブの防水パッキンに付いている。電源を下記リレー&ハーネスを使って直接バッテリーから取る場合は不要だ。外してしまおう。

 ハーネスを使わず元のバルブソケットにバーナーを直結(純正バルブから電源コネクタを外すとバルブ切れの警報が出てしまう車種)で使うケーブルの様だ。
 リレーハーネス。HIDは消費電力が少なくなる為、元のバルブの電源ラインをそのまま転用しても良さそうだが、バーナーの点火時に一瞬ではあるがかなりの電流が流れる為、上記を使用してバッテリーから単独電源を取った方が良い様である。
 一旦点灯してしまうと37W程度(純正は55W)の定格電力となる。

 親切にタイラップも付いてくる。

 という訳で色々な形のケーブルとコネクタの山である。
 箱の内側には簡単な接続図が載っている。さすがにこの絵だけでは接続不可能だ。で・・・
 もうちっと高級なものの他社品購入レポートを読むと「詳細な取説のおかげで無事取り付けできました」というコメントが多いのでなんとかなるだろう。そして付属の説明書を見ると・・・


 これだけかい。箱絵と同じぢゃんか。 orz
この絵だけでどうやって取り付けたら良いのだ・・・
 試行錯誤の末、最終的にはこうなった。不要なケーブルが惑わせてくれる。回路図位、ちゃんとしたの付けてよ〜

 そもそもPTのHID化には大きなハードルが一つある。バーナーを純正H7バルブのマウント部に固定できないのだ。通常は純正ソケットに穴を開けバーナーを貫通させて取り付けるしかない為、ソケット中央部をくり抜く加工が必要だ。
 PTショップの聖地、スーパーオートバックス川崎のHPやゴーヤーマンのなんでも相談室(いつもお世話になってます)などで詳しい加工手順が公開されてはいるが、今春車検を控えた身であることから不可逆反応的な改造は控えなければならない。
 K(ケルビン)で規定されている訳ではないので何とも言えないが、後付けHIDについて6,000K台では概ね車検OKの様だ(オートレベラー問題についても、H18年以降新規登録された車でなければ義務付け対象にはならない)。但しシェードはあくまでもハロゲン用なので集光時の光束分布は厳密に車検をクリアできない可能性もない訳ではないので、純正バルブは保管しておいた方が無難。

 最近はPT専用のHIDアダプターなる便利なものが市販されているので早速注文した。そのアダプターの価格は・・・12,600円。HIDキットより高いぢゃんか。orz
 そして一週間後、待望のブツが届く。

 これがアダプター。金属製で削り出し加工の様だ。ずっしりと重い。説明書は無くどうやって使うのか、これもしばらく悩む。
 もしかしたらバーナーに付いている謎のケーブル(右・黒の被覆ケーブル)はいらないのでは?と閃く。そこでバラスト行きの黒い被覆ケーブルを引っこ抜いて、
 バーナーから生えているケーブルをアダプターに通し、
 バーナーの防水パッキンはアダプターの内側の溝にぴったりはまりそうなサイズなので、(−)ドライバーで押し込んでみる。その結果、
 多分、こうに違いない。

 いよいよ取り付けだ。バンパーも外さなければならず半日は必要である。前輪を外す必要があるのでジャッキとウマとタイヤ止めを準備。










 フロント側のジャッキアップポイントはここだ。

 タイヤを外す。これでタイヤハウスの内側に手が楽に入るので作業がやり易くなる。

 バラストを取り付ける為にフロントバンパーを下ろす必要がある。

 まずはフェンダーとバンパーを繋いでいるナットにアクセスする為、フェンダー内張(前半分、下側)を固定しているネジ(片側3本,左右合わせて6本)を外す。ネジは7mm。外装を留めているネジはほとんどこのサイズなのでラチェットがあると作業が楽だ。
 内張を下からめくり、フェンダー内側にレンチを入れ、ヘッドライト真下にあるナット(片側2個、左右合わせて4個)を外す。サイズは10mm。
 ボンネットを開け、フロントグリルを止めているネジ(4本)を外す。
 フロントグリルを上に引っこ抜くと外れる。ラジエター左右のバンパーを釣っているボルトを2本外す。
 バンパーの下に潜り込み、チンスポイラーとシャーシを止めているネジ(3本)を外す。この画像の右側にもうもう2本ある。
 チンスポイラーの底とシャーシを留めているワッシャー(なぜか助手席側のみにしかない)を(−)ドライバーでこじくり外す。上記ネジ(助手席側)の真上にある。
 左右のフォグランプのソケットを外す。バンパーの両端を数cm下げ、フェンダー下から生えているボルトからバンパーの貫通穴を下に逃がす。
 正面にバンパーを引っ張るとバンパーがごっそりと外れる。結構軽い。

 この段階でこんな状態。元に戻せるかかなり心配になってきた。次はHIDキットの取り付けだ。

 フェンダー内側・ヘッドライト裏側のカバーを開ける。爪の部分の縁を2カ所(−)ドライバーでこじると外せる。LOビームのコネクタをソケットから外し、ソケットを半時計方向にちょっと回して引き抜く。
 ようやく純正H7バルブとご対面。
 バラストはヘッドライトの真下に取り付ける。助手席側はここだ。
 運転席側が問題だ。ホーンと謎の箱が付いているのでバラストを付ける場所がない。これは困ったぞ。
 エアクリーナーを外し、バッテリーの(+)と(−)端子にリレーハーネスを接続して電源の確保。
 リレーのON/OFF信号を元々のヘッドライトコネクタ(メス)から取り出す為のオス側端子を作る。かなり細長い端子なので平型ギボシ端子をヤスリで削り出す。
 これをリレーボックスへの入力ライン末端へ圧着する。
 助手席側のヘッドライトコネクタにリレーの操作電源ケーブル(赤=(+)、黒=(−))を接続。
 防水の為ビニールテープを巻いておく。黒色のケーブルが(−)側だ。

運転席側の元のヘッドライトコネクタは使わないので末端にテープを巻いて防水加工を行う。

 バンパーを戻す前に、バラストへバーナーとハーネスを仮接続し点火テスト。この状態で数分間点灯し、HIDお約束、バーナー表面のゴミ等を予め焼き切る為にバーナーの空焼きの儀式を行う。
 無事一発で点火成功。HID特有の点きかたで、ぽっと点火した後ぼわぁ〜っと明るくなってくるのが格好いい。

 目を痛めるので、直接光を見ない様注意。昼でも結構な明るさだ。
 テストで問題がなければバーナーをヘッドライトに取り付ける。ヘッドライトユニットの裏側から奥まで差し込んだら時計方向へ捻ってしっかり固定。防水パッキンが潰れる時のぐにゃっとした感触だ。
 裏側から見たバーナーソケット。LOビームのシェード内にきちんと収まっている。
 ステーを使って助手席側のバラストを車体にボルト止め。もともと空いている穴が利用できる。ステーから抜けない様、タイラップで縛る。
 問題の運転席側のバラスト固定箇所であるが・・・結局ステーをコの字形に曲げて謎の箱の横に挟み込み、両面テープ&タイラップで固定。

 各ケーブルをタイラップで固定後、取り外し時と逆の手順でバンパーを戻して出来上がり。

 改前後の明るさは・・・改造前の点灯画像を撮り忘れて比較不能。 orz
光は白いぞ。かなり良い感じ。


・・・と思っていたのだが、緊急事態発生。HID点灯中はノイズでラジオが聞こえない。「サー」というホワイトノイズである。周波数によって影響度は異なるのだが、ひどい周波数になると全くラジオが聞こえない状態。と言う訳で次はノイズ対策だ。またバンパー下ろすのかぁ。orz

 まずは怪しい場所をシールド。バーナー〜バラスト間のケーブルから高周波ノイズが発生しているらしい。再びヤフオクでHIDノイズに効果があるというシールドチューブ(XT-19-2,¥735/m)を5m購入。

 バーナーのケーブルのカプラが引っ掛からない様、ビニールテープでぐるぐる巻きに養生し、
 シールドチューブの中に通す。ここで点灯試験してみたところ、全く聞こえなかった局が若干聞こえる様に。一応効果はありそうだ。
 更にリレー行きのハーネスの電源ケーブルにも念の為シールド。
 ここで再度点灯試験を行うが、こちらはさほど効果なし。
 結局、若干の効果しか得られず。壁・屋根に囲まれた駐車場に入れるとノイズが増すので輻射ノイズがかなり残っていると思われるが、電源ラインからのノイズも油断できない。
 バラストのケースにアースを仮設して見たが、効果が見られないのでこれは外す。代わりにバラスト本体にはアルミホイル・シールド。ブラシーボか?
 電源ラインからのノイズはフェライトコアが効果ありとのことで(まつおかさん、まついさんありがとう)、今度の休暇に試してみよう。

 大小各種のフェライトコアを集めてみる。(おおたさん、とくながさんありがとう)



 途中経過だ。簡単にアクセスできるバッテリー周辺のラインへフェライトコアを付けてみる。
まずは電源ハーネス〜バッテリーの(−)端子のアース線から。
 FMラジオでノイズを確認してみる。ステレオ表示(ST)が点かない受信状態が・・・

 なんか点く様になったぞ。念の為、コアを外してみると・・・元に戻る。こいつはプラシーボではなさそうだ。
 もう1個増やし、2個直列にしてみるが・・・効果アップは微妙。
 で、当然(+)側にも付けて見ると・・・かえってノイズが増えてしまった。う〜ん、ノイズ対策の世界は奥が深い。こいつは外す。
 最も効果があったのはなんと、リレーと元々のLOビームソケットを結ぶ、点灯信号の供給ライン。かなりノイズが消え実用可能なレベルに到達。このラインが犯人か?電源に対し2次側であった為ノーマークであった。後でこのラインにもシールドチューブを被せてみよう・・・大した効果なし。

 バラストをシャーシから浮かせるとノイズが減るという噂もあるし、周辺が囲われた場所に入るとノイズが増えることから放射ノイズをシールドしなければならない様な気もするし・・・
 次はシールド対策済みバラストにでも替えてみるか・・・先は長い。

 購入店からのコメントは「コルゲートチューブを配線に巻くこと」。やはりまずはシールドか。


↓もうちょっとちゃんとしたブランドのHIDキットの方がリスクが少ないかも。

↓かなりお値打ちなH7ソケットの汎用HIDアダプタもある様だ。PTに使えるのかな?


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